「IFルートで、そういう結末があったんです。途中でリアム様を選んでしまったら、ヴィクトルがリアムを殺してしまうんです。それは、夢オチだったんですが、レティシア様がそうすると、きっとそうなるだろうと思わせてしまうくらいのリアルな夢で……」

「……物語が終わる前に片方を選んでしまうと、そうなるぞって言う、創作者からの警告めいたものだったってこと?」

 創作者……異世界の神、こっ……怖いー! となると、問題解決するまでに、レティシアつまり私は、どちらも選べないってことなの?

「ええ。ですから、レティシア様はこれから巻き起こる国家転覆の危機を何とか凌ぎながら、あの二人の間をのらりくらりして乗り切ってください!」

 ありえない難易度高すぎ案件をお願いされた私は、慌ててぶんぶんと首を横に振った。

「あんな、近い距離感で? 無理! 無理っ……だって、今の段階で、かなり糖度高いこと言うんだよ? まともな恋愛経験ない私はときめき過ぎて、心臓発作起きちゃう寸前だよ? ここから、あの人たちと関係が進んだらどうするの?」