城塞都市デストレに慣れてきた私は、腹ごなしのための散歩は割と自由にさせて貰っていて、その日だって場所を聞いて一人で到着し花畑に夢中になっていた。
……誰かが近くに居ることになんて、まったく気が付かず。
「……レティシア」
その声を聞いて何気なく振り返り、私は驚きで目を見開いた。
「えっ! リアム殿下? どうして、ここに?」
そこに居たのは、ヴィクトルに追い返されたはずのリアム殿下だった。
略式だろうけど王族らしい立派な服も薄汚れていて、状況から見ると城塞都市の高い壁をよじ登って来たのかもしれない。
おっ……王子様だよね? 守られる立場でひ弱でも許されそうなのに、身体能力がすご過ぎて怖い。
……っていうか、この人、私が見た時から、ずっとデストレに居たの? 王族って、普通は公務で忙しくないの?
私は彼を見て警戒を隠さずパッと立ち上がると、リアム殿下は必死な表情を隠さずに慌てて言った。
「まっ……待ってくれ。とりあえず、俺の話を聞いてくれ!」
それは、無理ではない? だって、あんな風に婚約破棄された婚約者から、何の話を聞くの?
……誰かが近くに居ることになんて、まったく気が付かず。
「……レティシア」
その声を聞いて何気なく振り返り、私は驚きで目を見開いた。
「えっ! リアム殿下? どうして、ここに?」
そこに居たのは、ヴィクトルに追い返されたはずのリアム殿下だった。
略式だろうけど王族らしい立派な服も薄汚れていて、状況から見ると城塞都市の高い壁をよじ登って来たのかもしれない。
おっ……王子様だよね? 守られる立場でひ弱でも許されそうなのに、身体能力がすご過ぎて怖い。
……っていうか、この人、私が見た時から、ずっとデストレに居たの? 王族って、普通は公務で忙しくないの?
私は彼を見て警戒を隠さずパッと立ち上がると、リアム殿下は必死な表情を隠さずに慌てて言った。
「まっ……待ってくれ。とりあえず、俺の話を聞いてくれ!」
それは、無理ではない? だって、あんな風に婚約破棄された婚約者から、何の話を聞くの?