私の王国では、化け物と結婚してはいけないと言う決まり事がある。
『吸血鬼と結婚してはいけない』
『化け物と結ばれてはいけない』
そんな、決まり文句がある。
だけど私はその決まり事が嫌い。
だから、…城から逃げ出したんだ。
何も持たずに。
その先で出会う者とは何か…?
気がついたら…知らない道にでてきてしまった。
ここ…どこだろ?
…今頃_______私を探してるのかな?
私はトボトボト知らない道を歩く。
と、その時。
誰かに声をかけられた。
夜だったから誰なのかわからないけど。
「ねぇ、君。今独り?ここ、独りだと狙われちゃうよ?君の血…とても甘くて美味しそうだ」
え!もしかして…吸血鬼?!
「こっちだ」
迫り来る危機にもう一人の誰かは私の手首をつかんで走る。
🦇
「_______ここなら、大丈夫だ。誰も来ない」
気がつけば人気のない家のなかにいた。
「あの…助けてくださりありがとうございます。申し訳ないのですが…貴方は誰でしょうか」
「すまない。俺の名前は月夜(つきや)だ。貴方は言うまでもない。姫上の姫嬉々欄(ききらん)だよな?」
「どうして…私の名前を?」
「貴方の住んでいる場所は、吸血鬼を恐れられているだろ?それだけ、姫上に居る姫ぎみ達は極上に血が甘いらしい。俺は誰の血も飲んだことはないが」
「もしかして…貴方は」
「そうだ、吸血鬼。だが、人の血は吸えない」
「なぜ?」
「体が拒絶してしまうんだ」
「そうだったんですか」
「どうして、嬉々欄はここにいる?あの城から出られないみたいだが…」
「…私、規則とか守り事が嫌いなんです。自分の好きなことができない。…だから、城から飛び出してきたんです。誰にも気づかれぬように。…あの、城は結界が張られている。でも、張られていない場所があるんです。そこから、出てきました」
「そうか。だがここは、危険だ戻った方がいい」
「…」
「そんなに、嫌なのか?」
ペコリと頷いた。
「仕方がない、俺がマークしてやる」
「え!」
「ここなら、誰も来ないと言ったはずだが」
「私のわがままを聞いてくれてありがとーございます!」
「全くだ」
こうして、私とその吸血鬼は誰も来ない家の中に過ごすことなった。
そして、何月が過ぎたころ_______
嬉々欄と月夜は…
2人の秘め事を作っていた。
嬉々欄は、吐息を漏らし月夜に血を吸われていた。
「お前の血に溺れそうだ」
「溺れて?月夜」
嬉々欄は、月夜を愛してしまった。
嬉々欄が居なくなった城では_______
大騒ぎになっていた。
「嬉々姫がいない?!それは、どう言うことだ!」
嬉々欄を遠くで見守っていた人が言う。
「…もしかして、姫上の決まり事が嫌でここを抜け出したのではないでしょうか。
ずっと、元気なかったので」
「だが、しかし…そうか。」
「王?」
「あの子には、ここの規則が辛かったのか。よし、わかった。規則を辞めよ。
ただし、守りは現状維持だ。妻を吸血鬼に殺られてしまった以上。放っておけん。(吸血鬼は信用ならない。)…頼みたいことがある」
「かしこまりました。姫をここに連れ戻してきます」
「頼むぞ」
そう言うと鳥になって飛んでいった。
嬉々欄と月夜の元に_________