「それじゃあ、
 読み終わったら
 楚良(そら)ちゃんに知らせたいから、
 楚良ちゃんの連絡先、教えてもらっていい?」


「うん」


 そうして。
 私と新堂くんは。
 交換した、連絡先を。


「ありがとう、楚良ちゃん、
 連絡先を交換してくれて。
 読み終わったら
 すぐ連絡する」


「ありがとう、新堂くん。
 だけど本当にいいの?
 マンガ、貸してくれて」


『お言葉に甘えて』

 そう言ったものの。
 いいのだろうか、本当に。
 そう思ってしまう。


「楚良ちゃん、気を遣い過ぎ。
 良いに決まってるでしょ。
 ただ先に読んじゃうけど、
 ごめんね」


 本当に。
 気遣い王子の新堂くん。