東条君ってほんと、弱っているケーキをいたぶることが大好きなんだと思う。


 「恥ずかしがってる妃奈の顔、見せて」だって。


 ものすごく優しいオス声で「いいだろ?」っておねだりまでされて。



 それでも私が顔を上げないから、強硬手段に出たんだろう。

 私のあごをゴツゴツした手で挟みこみ、強引にクイっ。



 目が合ってる……

 明らかに野獣モードに入ってるよ、東条君が……



 「妃奈の口の中の甘さ、堪能させて」



 優しくなんかない。

 激しくて濃厚なキス。

 角度を変えながら私の口の中をかき乱してきたから、私はソファにすら座っていられなくて


 「もう無理……意識飛びそう……」



 滑り落ちるように、生徒会室の床にしゃがみ込んでしまったのでした。