それって死ぬまで一緒にいてくれるってことだよね?


 もしかして今のはプロポーズ?!


 私たち付き合ってもないのに?!




 
 ソファのクッションがいきなり波打った。

 バランスを崩した私。

 隣に座る東条君から離れるように、私の上半身が傾いていく。

 でも倒れなかったのは、筋肉のがった腕が私の肩を抱きとめてくれたから。


 「あっ、ありがとう……」


 反射的に顔を上げると、目の前には凛々しい瞳が光っている。

 彼の瞳に映る私は明らかに動揺していて、彼の瞳を通して自分の姿を見ているというだけで心が荒波に飲み込まれそうになる。


 
 じりじりと迫ってくるワイルドフェイス。

 東条君の吐息が鼻にかかり、心臓がぎゅっと縮んだのがわかった。


 触れそうで触れられないこの距離がもどかしい。

 誰かが私の背中をポンと押せば、簡単に唇同士が重なる近さなのに。

 こんなジレったさは初めて。

 だって本能のままケーキを食らう総長様は、いつもガッつくように私の唇を奪ってきたから。