東条君はソファにお尻を鎮めると、隣に座る私のほほに舌を押し当てた。

 肌に触れた舌がそのまま上がってくるから、背中がゾクっとなる。


 私はまぶたを開けられない。

 眼球まで舐められちゃいそうで怖いから。



 ひゃい!


 次に襲われた場所は目じり?!

 たまった雫を吸い上げるようにチュッ。


 リップ音の後すぐに唇が離れてくれたから、ホッとしようと思ったのに……
 
 
 私の心臓は休む暇なんてない。

 今度は反対の目じりが襲われ、舌で涙がぬぐい取られていく。



 お互いソファに座ったままだから、立ち上がって逃げれば心臓への負荷は和らぐとわかってはいるものの。

 東条君が私の肩に手を回しているんだ。

 離れようと試みても、強い引力で彼の胸元に戻されてしまう。