かぁぁぁと上昇する、私の顔面温度。


 赤面状態の私をはずかしめたいのかな?

 彼は私にあえて見せつけるように、私の指を舐め回している。



 指を変え唇で挟んだり、甘がみをしたり。

 捕食のレベルを超えているような気が……

 恥ずかしさで私の表情が歪んでしまう。



 「妃奈のそういう顔、ほんと本能にクる」



 真上から真剣な瞳で、じっと見つめないで。

 オーバーにはねた心臓のせいで、呼吸が一瞬止まりそうになっちゃった。



 ソファの上の私たちを包み込んでいる、ドロ甘な空気。

 フォークが自ら食べたくて、私の指を味わっているのか。

 私が望んで食べてもらっているのか。

 頭がぼーっとしているせいで、正解すらわからなくて。



 「とっ東条君……もう……無理……」


  過呼吸になっちゃいそう。


 「ギブ却下。俺はいま食事中だ」