言えた、素直な想いを。

 東条君に睨まれたらメンタルが病んじゃうから、目をつぶっての発言。

 でもちゃんと最後まで……って。



 あぁ……ホッとした瞬間、別の感情がこみあげてきちゃった。


 ――ほかの子に取られたくないな、東条君のこと。


 悲しみの刃が、私のハートに突き刺さってくる。

 何回も何回も、ブスブスって。




 「ちょっと来い!」



  荒声とともにお腹に絡みついた力強い腕。



 「ケーキに優しくするの、やめた」



 いつの間にか私は、東条君の肩に担がれている。

 足がブラブラて……

 えええっ、なぜに?




 荒っぽく放り投げられたのは、4人掛けのソファの上。

 仰向けの状態にさせられて、この状況が飲み込めず目をパチパチ。

 私の瞳には生徒会室の天井は映っていない。

 視界を独占しているのは、黒髪を揺らすワイルドフェイスのみ。



 こここっこれって私、東条君に襲われそうになってる?

 食事と違う意味で、食べられちゃいそうなんですけど。