今日はいつもより、お食事の時間が長いような気も。

 だから余計に、本物の彼女として可愛がられているような錯覚に陥いっちゃうんだ。



 あっ、ダメダメ!

 フォークの捕食行為を、自分の都合のいいように解釈するなんて。



 私は東条君に愛されているわけじゃない。

 ただのケーキ。

 首をなめられるのもキスをされるのも、ただの食事。

 東条君も言ってたけど、私は彼が生きていくために必要な甘さをえられる存在というだけ。



 この先、東条君の前に現れるんだろうな。

 甘味だけじゃない。

 顔も性格も大好きでたまらないと東条君が思える、運命のケーキが。

 その時が来たら私はいらなくなっちゃうよね。



 「ここっ、こういうのは……本当に好きな相手にしか……言ったりやったりしちゃダメなんだからね」