「副会長への感謝の声が俺の耳にも入ってくる。妃奈は他人のために行動しすぎだ」


 「そっそんなことは……」


 「学園の女神って生徒から呼ばれていることは、知っているのか?」


 「……めっ、女神? 私が?」


 「俺だけのご馳走が、他の奴にとられないか心配になる」




 女嫌い。

 異性を褒めるなんバカバカしい。

 幼いころから女を拒絶しまくっていた俺が、どうしたんだろうな。


 フォークという自分の属性が開花してからは、心に余裕がなくなった。



 妃奈の甘さだけじゃない。

 心まで自分のものにしたい。

 好きな女を褒めまくってしまうのは、行き過ぎた独占欲で間違いない。



 俺は生徒たちが妃奈に向ける好意の目を、すべて摘み取りたくてたまらない時がある。

 これがいわゆる「醜い嫉妬心」なんだろうけど……