まちに待った、次の週の日曜日。

午前10時にあのお屋敷に向かう。

ピーンポーン

「はいっ。お待ちしてました。」

とまた大きな門が開く。

玄関先で、

「おはよう。遅いよ〜」

と言って光一さんがビシッと黒のスーツに

胸元ちょっと空けた白いシャツで登場した。

わぁ。カッコいい〜と見とれてると。

「行くよ〜」

と言って玄関を出ていってしまった。

また彼は私の先を歩く。

私は彼の2歩後ろをついて行く。

と門の前に黒いリムジンの車が用意されており、

そのリムジンの前にお付き人が付いており、

「お坊ちゃま。どうぞ。」

と言って、車のドアを開け、

深々お辞儀した。

「ありがとね〜」

と言って、車に乗り込むと、

私は凄すぎて、呆然としていると、

「お嬢様もどうぞ。」と、深々お辞儀して、

と車の反対のドアを開け、多恵子は、

急いリムジンに乗り込んだ。

「公会堂までよろしくね〜」

と光一さんは言うと、

「かしこまりました。」

とお付き人が言い、

車を走らせた。

車が走るやいなや、

「おぼっちゃま、頑張って下さいね!」

「ありがとう〜」

とやり取りが、

なんだろう?

車走ること20分。

公会堂へ到着した。

「ありがとね〜」

とお付き人にいうと、

私もつかさず、

「ありがとうございます。」

と言って、2人車を降りた。

車を降りるやいなや、

凄い人だかりの中、

「キャ~木村さん。!

「素敵〜光一さん〜」

と、黄色い声援が飛び交う。

「ちょっと、ごめんね〜」

と人をかき分け、会場に着くと、

大きな会場にイスが並んである

部屋に入り、

「君はここに座ってね〜」

と一番前の端っこの席に座らされた。

光一は、ポロンポロンと

ピアノを試しに弾くと、

流暢にピアノを、弾き始めた。

それは繊細で、且つ大胆で、流れる川のように

指を動かす。

「わぁ。すてき。」

素敵すぎて見惚れてしまった。

私やっぱり光一さんが好き。

と惚れていると、

10分ほどの演奏が早くも終わり、

拍手喝采、スタンディングオベーション。

多恵子ははっ、として、つかさず席を立ち、

拍手をした。

すると、光一は、

壇上のピアノの前で、軽くお辞儀して、

私の席まで来て、

「行くよ〜」

と言って歩き始めた。

何処へ行くんだろう?