駅に着き、

背の高いいつものカッコいい人を見かけた。

あの人、180cmぐらいあるけど、

彼女いるのかな。

さらっとジャケットを羽織って左へ曲がっていった。

私は真っ直ぐ、直進する。

歩いて、10分くらいだろうか。

夕日が綺麗に染まっている。

ピンポーン

「はーい。」

「ま、前川です。」

「あっ、この前のお嬢さんですね。

お待ち下さい。」

「こんばんは。さっ、こちらへどうぞ。」

といつも通り、奥の部屋に通された。

うとうとしていた大叔父様は、

「起きて下さい。大叔父様。

例のお嬢様ですよ。」

と言うと、

はっとした表情で前をまっすぐ向いたまま。

「これ、つまらないものですが、お裾分けです。

会社で貰ったお茶菓子です。」

と大叔父様の手に渡すと、

「そうか。」

と一言いって、また咳をこじらす。

「じゃあ、夕飯時なので、私これで失礼、、」

と言うと、

「よかったら、夕飯食べて行かない?

多めに作ってしまったので、

遠慮しないで下さい。お嬢様。」

「えっ、悪いのでいいです。」

と言うと、大叔父様が

「いいんだよ、食べていきなさい。」

と言って、目をつむって

眠ってしまった。

すると、お手伝いさんは、大叔父様の上に

布団を掛けた。

「さっ、こちらへ。」

と言って、また長ーい廊下を渡ると

左側に食堂が見えた。

と目に飛び込んでくるのは、

ステーキだのサラダ、チキンの丸焼きだの、コーンスープ

フルーツ盛り合わなどが、ずらりと並んでいた。

「わぁ、豪華な食事。」

と思わず言った。

「さぁ、たーんと召し上がってください!」

「じゃあ、お言葉に甘えて、いただきまーす。」

私は地味だが、食いしん坊がたたって、

ぱくぱく食べてると、

「ただいま〜」

とあの例のイケメンが立っていたのだ!!

「お邪魔してます。」

と貪り尽くした食卓をみて、一言、

「はしたない。これが例のいいなずけ??」

「俺は、断固反対だね〜」

と行って、部屋を出てってしまった。

いいなずけ?!

それよりか、

私の第一印象が悪くなってしまった

ことを、多恵子は気にしたのであった。

「お坊ちゃんは、両親を亡くされて、

大叔父様と2人で暮らしておりますが、

きっと、寂しいだけだと思います。」

そうだったんだ。

なんか、可哀想だな。