家に帰って、必死に考えた。

どうしたら、光一さんと仲直りできるのか。

まずは、また謝りたいから、

う~ん、どうしようかな。

クッドアイデア!

クッキーでも作って明日謝りに行こう!!

明日、丁度、私の誕生日かぁ。

と思いながら、夜黙々と

クッキーを焼いたのであった。

次の月曜日、事務早く終わらないかなと

いい思いで、そんな日に限って残業が。

ツイてないな〜

18:00

帰るの遅くなっちゃった。

「お先に失礼致します。」

と急いで帰路につく。

駅を降りて、大叔父様の家へ急ぐ。

大好き光一さんの為に。

ピーンポーン

「夜分にすみませーん。前川です。」

「あっ、お嬢様。今開けますー」

と言って、大きな門が開くと、玄関に光一さんが

廊下を通る姿が見えた。

「光一さん!クッキー。受け取ってください!」

というと、

「クッキー大好きなんだ。ありがとね〜」

と笑顔になった。

「昨日はすみませんでした。

今日私の誕生日なんです。仲直りできて、

良い誕生になりました。

じゃあ、私こちらで失礼致します。」

というと、

「帰らないで、ついてきて〜」

と玄関を出て、リムジンに乗り込むと

光一さんはお付き人に何やらコソコソ告げた。

「かしこまりました。お坊ちゃま。」

夕日を背に、何処かへとリムジンを走らせる。

10分ほどして、商店街の宝石店の前へ

車をつけた。

「ありがとね〜」

「じゃあ、行くよ〜」

とその宝石店へ入っていく。

私もつかさず、

「は、はいっ。」

とお店へ遅れて入ると、

「いらっしゃいませ〜。お二階へどうぞ。」

「ありがとう〜」

と特別室へとおされた。

えっ、行きつけのジュエリーショップ?!

「いいの見せてよ〜」

と光一が言うと、お店の人は、

「かしこまりました。今ご用意致します。」

と言ってすぐさま宝石店を沢山持ってきた。

観音開きの宝石BOXを開いた途端、

煌びやかなルビー、サファイア、エメラルド

と、様々な宝石がズラリと並んだ。

「好きなの選んで良いよ〜」

「今日誕生日なんでしょ〜」

と光一さんが言うと、多恵子は黙った。

両手を、膝の上で力強く握ると、

「違うんです。私こんなんじゃ、、」

泣き出してしまった。

「どうしたの〜」

と光一さんが、けげんな顔を見せると、

「私、宝石が欲しいんじゃなくて、、」

「キ、キスして

欲しかった、だけなんですけど、、、。」

というと、

「あはは〜」

「そんなこと〜」

と言って、サラッと額にキスして一階へ

降りて行ってしまった。

「そんなこと〜」

恥ずかしい。けど、嬉しい、私。

最高の誕生日になった。

一階へ降りると、

入口で、光一さんが待っててくれた。

「これ君に〜」

「犬の形したネックレス?!」

「君に似てるからね〜」

と犬の形したネックレスを受け取った。

最高の誕生日になった。

とまたリムジンへ乗り込んだ、

車が走ると、

「僕たち付き合ってるんだから、

手ぐらいいいでしょ〜」

と端に座ってる光一さんは私の手を取り、

私と光一さんは、手を繋いだ。

光一さんの手が覆いかぶさるようにして。

5分で着いちゃう。

神様、もうちょっと一緒にいさせて下さい。

あっという間に家へ着いた。

「今日は、ありがとうございました。じゃ、ここで」

というと、光一さんは私の手を引っ張って、

「行かないで〜」

と多恵子を抱き寄せた。多恵子は、唇にキスされた。

一瞬世界が止まった気がした。

「僕の大事な彼女だよ。」

とーっても、寂しくて、死んじゃいそう。。

そして、リムジンはさっそうと、去って行った。