翌日...

美結は新たにマッチした女性と話していると

早速"予定合わすんで会いましょ!"

とメッセージが送られる。

美結「(えっ!マジ?)」

美結「(ちょうど明日土曜だわ)」

気が早い美結は、

"明日○○駅来れますか?"と返信した。

美結「...あっ、やべ」

美結「葵に返信してねえ...怪しまれるわ」

Instagramを開くと、今朝も葵から

"おはよう、仕事行って来ます😌"

と送られていた。

美結は"おはよ❤️行ってらっしゃい!"

と表だけの微笑で返信した。



女性からの返信を待つ美結。

美結「(まだかなー)」

美結「(...そろそろ葵に返信しとくか)」

葵から"ただいま😊"と返信が送られていた。

"お帰り❤️"と返す美結の表情は冷めていた。

毎晩葵が仕事から帰ったら電話を掛けて

寝るまで話していた美結。

しかし、美結はその一言で会話を終わらせ

スマホゲームで遊んで眠りについた。



翌朝...

二度寝して8時過ぎに目が覚めた美結は、

マッチングアプリのチャットを見に行くが

女性からの返信は来ていなかった。

美結「え...嘘だろ」

既読がつかない仕様だが

オンライン履歴は数分前だった。

美結「は...?」

美結「...此奴、俺と会う気ねえだろ」

美結は腹が立ってマッチ解除をした。

美結「来てって言ったから非常識って?」

美結「そっちから会おうって言ってきたんだろ」

美結「はぁ...独逸も此奴も」

ムシャクシャする美結は家を出る。



歩いてゆめタウンに来た美結は、

フードコートの人がいない場所に座る。

美結「...」

スマホで小説を書いていると...

画面に着信が表示される。

その相手は葵だった。

美結「...」

美結は応答せず小説を書き続ける。

数秒後、着信が切れて考える。

美結「(葵から電話って...珍しいな)」

毎週土日は仕事が休みの葵に

会いに来てもらっていた美結。

美結「(何も言わないから怪しまれてるかな...)」

美結は葵に電話をかけ直す。

(プルル...)



【電話】

美結[...あ、もしもし]

葵[もしもし、ごめんね...忙しかった?]

美結[いや!大丈夫よ]

葵[ちょっと美結の声聞きたくなって...😌]

美結[あ...そうなんだ!(笑)]

葵[...今日何か予定ある?]

美結[いや...ないけど...]

葵[これから逢いに行ってもいいかなぁ(*´꒳`*)]

美結[あー...]

葵[美結の声聞いて逢いたくなっちゃった(笑)]

美結[んー...今、熱があってさ...😅]

葵[えっ...!大丈夫...?]

美結[うん...だから昨日から寝たきりで...]

葵[何か食べたいものある?]

美結[いや...何も!]

葵[好きなもの買って行くよ!]

美結[いや、いい!風邪うつるから💦]

葵[構わないよˆ ˆ]

美結[お...親がいるんだよ!来ちゃ駄目!]

葵[渡すだけでも駄目かな...?]

美結[駄目!親は葵を嫌ってるんだよ?]

葵[そうだよね...]

葵[でも...何かあったらいつでも言って?]

葵[逢いに行くから]

美結[ありがとうˆ ˆ]



電話を切った美結はInstagramを開くと、

葵から"今日は何してた?😊"

と昨夜に返信が送られていた。

美結「...」

一方的な美結が突然極端に引いたことで

近付いて来る葵に気持ち悪く感じる。

美結「(今後も言い訳で誤魔化そう)」

美結「(...家に来たら来たらで上手くかわそう)」

美結「(誰とも会いたくない...って)」

美結は小説の続きを書く。



1時間後...

美結の母「...」(洗い物をする)

(♪〜)

家のインターホンが鳴る。

美結の母「...」(応答ボタンを押す)

美結の母「は〜い」

葵[ご無沙汰してます、宮林です]

美結の母「はい...?どちらさんですか?」

葵[以前、美結さんと付き合いをしてた者です]

美結の母「中学校の時の?」

葵[はい、突然の訪問すみません]

美結の母「...どしたん?」

葵[美結さんのお身体が良くないと聞いて]

葵[気持ですが差し入れを持って参りました]

美結の母「え?美結は元気よ?」

葵[あっ...良くなられて?]

美結の母「美結がそんなこと言っとったん?」

葵[御熱があると仰っていました]

美結の母「え?朝から遊びに行っとるよ?」

美結の母「ゆめタウンに行って来るって」

葵[...そうだったのですね💦」

葵「此方の勘違いですみません...]

美結の母「いやいや、わざわざごめんな」

葵[いえいえ...こちらこそ失礼いたしました]

ロビーの通話が切れて葵は考える。

葵「...」