「今日から新しく入部する小野寺繭さんです。一言自己紹介を」

「え〜と、小野寺繭、一年です! 6月という微妙な時期に入部してしまい、すいません! 一応中学の頃もバスケ部で、やる気気合根性体力には自信があります……! よろしくお願いしますっ」


放課後の第ニ体育館内。
目の前に集合した女子バスケ部全員に向け、私はペコっとお辞儀する。


「やる気気合根性体力て……ほぼ一緒やがな!」

「あははっ、繭ちゃんて近寄りがたいイメージあったけど面白い系なん?」

「てゆうか髪の毛ショートにしたの!? 似合いまくりっていうか、どこぞの国のお姫様が現れたかと……」


初めて見る先輩や見たことのある同学年の女の子もいるが、みんないい人そうでよかったとホッと胸を撫で下ろした。
途中入部は馴染むのに時間がかかりそうだと思っていたのだ。


「それじゃあ先生まだ仕事残ってるから、いつものやつ始めててくれる? 小野寺さんは初めてでわからないだろうから、とりあえずどんなことをやるのか、端から見学してて。あ、もし参加できそうなら全然参加していいからね」

「りょーかいです」


忙しそうにパタパタと顧問の先生が職員室に戻っていくと、みんなが柔軟体操を始めたので真似しようと一緒に同じように体を動かしてみた。