それに声……、

今までと比べ物にならないくらい甘い。



「お、お粗末なものを……当ててしまって…、ごめんね…」


「……ちょうどいーよ」


「へ…?」



ちょうどいい、って…?

見上げたときにはもう、見下ろされていた。


私は上半身ばかり気にしていたけれど、改めて思うと足だって預けるようにして海真くんに寄りかかっている。



「…こんどはおれの番」


「あ…、海真、くん…っ?」



鼻が近づいてきたんじゃなく。
どちらかというと、顔が落ちてきた。

なにかの覚悟を決めてぎゅっと目を閉じた私だったのだけれど、そうだった。


予想を超えてくるのが海真くんだったこと。



「まっ、て、……かいま、くんっ」



それは首筋に落ちてきた。

ここまで熱くて柔らかいものはなんだろうと不思議に思いながら、まるで空でも飛んでしまいそうな心地。