だから私も伝えたのだ。


このまま目が醒めなかった場合、半年以内には脳死となり呼吸が止まってしまうこと。

もし奇跡的に意識を戻したとしても、身体障害や記憶障害を起こしている可能性が高いこと。


私はそれでも海真くんの隣に居続けること。


これがあなたも欲しかった、誰かに与えてみたかった愛なのではないですか───と。



『………岡林、他の使用人たち全員もここに集めるんだ。そして───警察を呼んでくれ』



それから財前 一朗太自らが警察にすべてを自白し、すぐに財前家の問題はニュースで取り上げられた。


財前家は倒産し、そうなったことで大きな損害を受けたのは遠坂家もだった。


長年の取引先ということもあり、お母さんの仕事にも大打撃を食らわせた今回の事件。

聞くところによるとお母さんのブランドは多くの信頼を失い、経営難に陥っては大赤字だと。