『ならッ、僕はあの男みたいになれば良かったのか…!?きみに安い飯を食わせ、きみを狭い場所で寝かせッ、そんなふうにしてやれば良かったのか……!?』


『………そんなことを言っている自分の醜さがまだ分かりませんか。…生まれ変わって、財前さん。今のあなたは誰かに愛されるどころか誰かを愛すことすらできない……惨めで可哀想な、ひとの心さえ捨てきった愚か者です』


『─────────………』



響いた、と思った。

今まで何を言っても手応えがなかった財前 一朗太の心に、やっと。



『ぼくは…、僕は昔から金しかないような男だ…っ、金でしか友達も作れなかった……!こんな見た目でっ、デブでブサイクで…っ、みんなみんな…、きみだって本当はこんな僕を気持ち悪いと笑ってたんだろ……!!』



うん、気持ち悪かった。

お金しかないあなたが、すごく。
お金しか見ることができない、あなたが。