首にリード、腕に手錠。

大きな檻のなか、私の世界は再び闇に染まった。



「まったく、乃々はそんな庶民が行くようなテーマパークだなんて興味がないというのに。そうだ、クリスマスは僕といっしょに上海にある高級中華でも食べにいこうか」


「……はい」


「も、もちろん泊まりだろう…?」


「……はい」


「よぉぉしっ!今日は邪魔が入って疲れただろうから、なにか温かい飲み物を持ってくるよ!」


「…ありがとうございます」



パタンと、部屋のドアが閉まってすぐ。

私は咄嗟に窓から外を覗いた。


そこには膝をついていた彼が目元を拭いながら、背中を向けている姿。



「っ…、────……海真くん……っ」



ごめん、ごめんね、ごめんなさい。
ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい。


許されないことをした。

2度と私は、彼に会う資格がないことをしてしまった。


すると小さな背中が、こちらを振り返る。