でも、私のことでそこまで追い詰めてしまっているのは事実だ。

その顔はきっと私には見せられないから、頼れる大人たちにせめて吐き出しているんだよね。



「……じつはアパートの審査、通らないかもしれないって連絡が来てさ」


「え、いやいや。ついこのあいだは通るかもって言ってたじゃん」


「おれも意味わかんないんだよ。急に取り消したいとか言ってきて」


「はあ?」



審査が、通らない……。

この前みんなで見に行った、最後の物件のことだ。


私がここに暮らしたいと言って、彼は「ぜったい暮らそう」と約束をしてくれた。


そして今も玖未さんが言っていたように、審査がうまく通りそうだと少し前に嬉しそうに話してくれたばかりだったのだ。



「たとえ保護者の同意があったとしても、おれたちは17歳で高校生で……金銭的な意味でも年齢的な意味でも大家さんの信用度ってやつ?…まあ、薄いんだって」