「ほ、本当に親子ですか…?ずいぶんとお若く見えますが…」


「まあ16のときの子供なので。…なにか問題でも」


「いっ、いえ!失礼いたしました!」



冷静すぎる店長さん。

その妻役が務められてニヤけ顔を隠すことができていない玖未さん。


ふたりの息子だと言っては笑っている海真くん。


そう、私たちの保護者となってくれたのはよく知りすぎている顔ぶれだった。



「で、では、さっそくひとつ目の物件にご案内いたします」



いいのかな、本当に……。


この上なく楽しんでいる玖未さんと海真くんは、本当の親子にも見えてきた。

どうしてあのふたりからは緊張している様子が微塵たりとも感じないんだろう。



「わあ、エントランス広っ!海真、ここすっごくいいじゃん!オートロックだし、なんか魚泳いでるし!」


「住人たちが食べんのかな」


「ちょっ、んなわけないでしょ!」


「こちらマンションの管理人さんの趣味でもあるそうです」