「だって海真くん…、いつも恥ずかしいことばかりする、から…」


「いやそれは」


「あんなところ見て欲しくないし…、あんなことして欲しくないもん…」


「いやそれは」



と言いながらもクスリと笑って、彼は私の髪の毛をどかして小さな耳を見つける。



「あんなところって、どんなところ?あんなことって…なに?」


「…っ、」


「いつもあんな気持ち良さそうな反応してくれんのにそんなこと言っちゃうんだ?」


「ひゃ…ぁ…っ」



素肌をなぞってくる手。

海真くんにしか触られたことがないような場所に、刺激と快感をこれでもかと言うほど与えてくる熱が。



「舌だして」


「んん…っ」


「…その顔すき」



まるでピアノを弾くように繊細に、けれど力強く触れてくる。


心まで奪われるとはこういうことなんだ。

驚くほど彼のことしか見えなくなる。



「これからいろんなとこ行こう。ののちゃんがしたことないこと、行ったことないとこ、ぜんぶおれと一緒に経験していって」