「そうは思わない?きっと庶民の生活に耐えられるお嬢様なんかいないわ。そんな生活を自ら好むお嬢様もね」



ねえ、もっと触って?と、自分で動かしながら勝手に快感を得ようとしているみっともない女。



「もう。これだと面白くないからあなたには筋弛緩薬にしたかったのよ」


「……やめ…ろ、」


「あら、あんなにも強い薬だというのに話せるだなんてすごい」



身動きの取れないおれを弄ぶように抱きしめてきては、身体を擦りつけてくる。



「これでも私、父親は海外でも有名な資産家なの。そんな娘とカラダの関係が作れるだなんて、あなたからしたら夢みたいなことじゃない?」



なにか、何かないか。

おれの意識をハッキリとさせる“きっかけ”みたいなものは。



「もし私と継続的につづけていきたいなら、あなた次第ね」



なんでもいいんだ。

最悪ののちゃんの泣き声や叫び声が聞こえたなら戻るはずだけど、この家はほとんどが防音部屋になっているらしい。