それはさっき投げていた小石とは比べ物にならないくらいの大きさ。

あんなのが当たったら絶対ケガをしちゃうよ。

「ガキみたいなことすんじゃねー」

「なんだとっ?こら。やんのかよ」

「お、こいつあの一条じゃねーか?俺らのトップとやり合った」

この時、黒門中学の男子は3人いた。

3人とも見るからにガラが悪そうな不良達。

数では絶対的に不利だ。

一条くんを助けなきゃっ……ってそう思った私は彼らの背後を小走りで通り過ぎて店内に滑り込んだ。

そして大人の男の人を見つけて助けを求めたんだ。

「大変です、外でお客さんの犬が中学生たちにいじめられてるんです、助けてあげてください」

大きな声で告げたら、店内中のお客さんたちも振り返った。

「またか、あいつらっ」

30代くらいのその男の人は胸もとに店長と書かれた名札を付けていて背も高く屈強な体格だった。

この人ならなんとかしてくれそうだ。

「お嬢さんありがとう、あとはこっちで対処するよ」

そう言った店長さんは一目散に入り口のほうへ走っていく。

すると、立ち話をしていた年配の女性客が青い顔をして叫んだ。