そして、一条くんに綺麗な三白銀でまじまじと見つめられたから、全身にさっと緊張が走る。

「ニャ」

ひえー、絶対いじめられるっ。

「猫?ちっちゃ、ねずみくらいの大きさしかないな。子猫にしても小さすぎる」

鋭い目で上から見下ろされて圧迫感がすごい。

怖いけどいざとなれば、爪を立てて応戦しよう。

でも全然勝てる気も逃げきれる気もしない。

だって彼は校内最強の不良で有名だもん。

一難去ってまた一難。

もう、どうすればいいのー?

ブルブル震えていたら、指先でそっと頭を撫でられた。

「ニアッ?」

「おまえ、やっぱ猫か。親からはぐれたのか?」

「ニイ」

顔を近づけられたから、思わず後退り。

「おまえ、震えてる?」

「ニー」

来ないで。

壁際まで追い詰められて絶対絶命。

だけど、彼は意外な言葉を口にしたの。

「怖がらなくても大丈夫だ、俺が守ってやるからな」

「フニ?」