そっか、体育で目立ってしまってたかもしれない。これからは気をつけよう。

「見かけによらないって?」

私ってどんな風に見られているんだろう、ドキドキしながら尋ねると思ってもいなかった返事が返ってきた。

「大人びていて美少女でお嬢様って感じ。髪も長いし凄く似合ってるよ」

「そんな、私なんて全然可愛くないよ」

これまでの学校では、暗いとかお高く止まってるとか髪の毛が長くて色白だから幽霊みたい、とか陰でウワサされたことがある。

こそこそ悪口を言っている声も猫は耳がいいから聞こえちゃうんだよね。

だから、こんなふうにベタ褒めされると背中がこそばゆくなっちゃう。

「すずちゃんは絶対可愛いよ。初めて会った時、見惚れちゃったもん」

そう言う花音ちゃんこそおひさまの香りがして天使のように可愛い。

花音ちゃんはニコニコしながらポケットからベビーピンクのシュシュをとりだす。