「いい加減にしなよ、まどか。そんなこと言うなら私もそっちに入らなくてもいいよ」

花音ちゃんが怒ったように佐伯さんを睨む。

すると、クラス中が静まり返って私たちを固唾をのんで見守る。

どうしよう、私なんかのせいでクラスの雰囲気が悪くなってしまう。

花音ちゃんが私をかばってくれて凄くありがたいけど、こんなの駄目だ。

「花音ちゃん、私はいいよ。向こうに行ってあげて」

「え?どうして」

花音ちゃんは不満そうに私を見る。

「私と同じグループじゃ嫌?」

「ううん、そうじゃなくて。迷惑をかけたくないから」

「迷惑なんて……」

花音ちゃんは寂しそうにため息を漏らしたけど、私はぎこちなく笑った。

「私、こういうの慣れてるから平気」

「……」

自分でも卑屈だなって思って悲しかったけど、こんな風にしか言えなかったんだ。

だって、大好きな花音ちゃんまで巻き込みたくないんだもん。

すると男子達がざわめきだす。

「女子って、陰険だよな」

「猫宮さんが可哀そうだよ」