凛月「早く着きすぎたかも…。誰もいねぇや…。」

あれから10年後の8月20日。景色の変わらなさに驚きつつ、俺はみんなを待った。

到着から2時間後、声をかけられた。

結華「凛月にしては早いじゃん。」

凛月「結華!久しぶり、綺麗になったな…。」

結華「当たり前でしょ!凛月も逞しくなったね。」

遥翔「でも、めっちゃ変わったってわけでもないな!」

凛月「遥翔!」

結華「急に入ってこないでよ!びっくりしたじゃない!」

遥翔「驚かそうと思ったから、俺的には結果オーライ!」

遥翔はそう言って、変わらない笑顔で言った。

瞬「ふっ。」

遥翔「わぁっ!!!」

瞬「ちょっと息吹きかけただけで大袈裟。」

遥翔「瞬お前、やったなこの野郎!!」

凛月「みんな相変わらずだな!」

結華「凛月もじゃん!」

本当に10年ぶりかと疑いたくなるほど自然だった。

遥翔「ひとまず近況報告と目標達成率の確認しようぜ!」

瞬「そうだな。じゃあ、遥翔から。」

遥翔「おう任せとけ!最近は、宣言通りカウンセラーになった。中学校で働いてる。生徒が気軽に相談に来られるように、生徒とも仲良くしてる。結構打ち解けられたな。目標達成度は60%ってとこかな~瞬は全然俺の想い受け取ってくれないし、これからもっとたくさんの生徒を支えたい。」

結華「いいねぇ!私もちゃんとデザイナーになったよ!今では、モデルとかアイドルとかの衣装も担当してるんだから!達成度は80%ってとこね!デザイナーとしてもっと進化していくのは当然として、瞬には私の気持ちは全然届かないわ…。」

凛月「俺は今アメリカの師匠のところに居候してる。目標だったオリンピックの主力メンバーにもなれていい調子かな。後は、どんどん敵を倒してもっと強くなる!残念ながら、瞬には何も恩返しできてないから達成度は50%くらいだな…。」

瞬「俺は医者になったよ。自分で病院経営して、うまいこといってる。利用した多くの患者さんが笑顔で感謝してくれるのが嬉しい。これからも精進していくつもりだ。全体の達成度は65%ってとこだな。お前らいい加減諦めてくれよ…。強情すぎるだろ。」

それぞれの話を聞いて、何だかんだうまくいってて安心した。

遥翔「さてと、お互いの近況報告と今後の方針も定まったことだし、遊ぼうぜ!!」

凛月「賛成!何する??」

結華「ちょっといきなり!?」

瞬「相変わらずだなお前ら2人は…。」

遥翔「俺の後に続け~!!」

遥翔はその掛け声とともに全速力で走り出した。俺らもその後に続いた。走っているみんなの顔は笑っていて、とても眩しかった。

俺は足を止め、衝動的に言いたくなったことを言った。

凛月「遥翔、結華、瞬。本当にありがとう、そんでこれからもよろしくな!!」

遥翔「あぁ!こちらこそだ!」

結華「当たり前でしょ!寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ!」

瞬「凛月、安心しろ。俺らはずっと一緒だ。」

みんなの言葉に涙が出そうになったが、グッと堪えた。

高2の頃の俺からはこんな未来予想もできなかった。何度も挫けて諦めそうになった。でも、その度に瞬と結華に支えられて遥翔を思い出すことができた。俺はとても恵まれた人間だと思う。この4人ならどんな困難が待ってても乗り越えていける、俺はそう確信した。

さぁ、今日いっぱい遊んだら、また会おう。碧い夏の約束を何度でも…。