そんな日々を送っている間、学校はすっかり文化祭ムードに染まっていた。

結華「ねぇねぇ!凛月のクラスは何やるの??」

結華はこういうみんなでワイワイする行事が好きだ。もちろん俺も嫌いではない。

凛月「え~っと…。演劇やるらしい。」

結華「え!?いいね!凛月出るの??演目は?」

凛月「何か、青春系らしい。俺も出る…。見にくんなよ絶対に。」

結華「えぇ~!!絶対見に行くね!」

凛月「お前話聞いてた?来るなって言ったんだよ!そんで?そっちは何やんだよ。」

結華「こっちは喫茶店だよ。おいしいもの用意するから食べに来てよ!」

凛月「ああ、わかったよ。バスケ部引き連れて行くわ。」

結華「やった!!大繁盛間違いなしね!!」

そこからは怒涛の日々だった。俺のクラスは特に。演目の内容を聞くと、離れ離れになった親友が大人になって再開するっていう話。お涙頂戴の感動作だとか言ってたな。俺の配役は、離れ離れになった親友の片方だ。
そしてついに文化祭当日を迎えた。

結華「おはよう凛月!いよいよ文化祭だねぇ!!」

凛月「おはよう。そうだな、楽しもうぜ。」

結華は文化祭ということもあり、とても気合を入れていた。正直贔屓目なしで結華はかわいい。男どもがこぞって結華と文化祭を一緒に回る権利を求めていた。でも結華は彼氏を作ろうとしない。

凛月「なぁ、結華って彼氏作んねぇの?彼氏作ったら男どもを断る口実できんじゃん。」

結華「何急に。私は彼氏なんか作んないよ。私は、凛月と遥翔がいればそれd…。あ…。」

結華はまずいと思って言葉を止めた。俺は「遥翔」という名前を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。