あのときも、泣いていた。



〜4年前〜

『あんたなんかが隼人君と話すなんて、どこまで調子乗ったら済むわけ?』
人気の少ない階段下で水をかけられたあのときも、

『ブスでキモいお前なんかにこんな物はいらねぇよ!』
そう言われて宝物のピンをバキバキに壊されたあのときも。

隼人は私がいじめられていると、すぐに駆けつけてきてくれた。
まるでヒーローだった。

隼人がいじめっ子に放つ言葉を聞いていると、毎回、それまで我慢できていたいた涙が我慢できなくなって、溢れてしまっていた。
泣きすぎて目が腫れが収まらなくて、友達はもちろん、家族にまで心配された日もあった。

たったの3週間だけで、私の心は抉られたのだ。でも、それでも、私がここまでこうやって過ごしてこれたのは、きっと隼人のおかげ―――