俯向いてしまった…。

教室内に、沈黙の空気が流れた。
何も…、言えない…。

時計の針が、カチッカチッと進んでいく。
泣きそうになっている私を見て、隼人は話しはじめた。

「ねえ、そろそろ戻らないとやばいよ?2人揃って初っ端から問題児って思われちゃう」

慌てて顔を上げ、時計を見ると、7時42分を指していた。

急がないとっ!8時から始業式なのにっ!

急いで立ち、椅子をしまってから廊下に出る。
さすがに廊下は走れないし、速歩きで行けば大丈夫なぐらいの距離だから、焦らずに行こう。

隼人もそんなに慌てていない私を見て理解したのか、私より少し遅いぐらいの速さで歩いていた。

✳ ✳ ✳ ✳ ✳

「はぁ、はぁ、ここ、が1年Bぐ、みか。はぁ、はぁ」

教室に着く頃には、私も隼人も、息が切れかけていた。
教室のドアを開けると、私と隼人にクラス全員の視線が集まった。