「高校に入ってしばらくしてから急にあそこの公園に行きたくなったんだ。
あそこの公園は中学生の時にほとんど毎日練習で通ってたからさ。

そしたら燈真がいた。
一生懸命、練習している姿を見たら自然と声をかけてた。
もう誰とも関わることを辞めようと思ってたのに無意識に話しかけてたんだよな」

「多分、その時期って去年の冬頃じゃ・・・?」

「そう。だから逢原さんの話しを聞いたとき俺も話したいって思ったんだ」

なんだろう、このふわっとした感覚。
言葉に出来ない気持ち。
不思議な気持ち・・・。

「そっか、そうだったんだね。
話してくれて、ありがとう。
・・・燈真と出会ってくれてありがとう」

私の言葉に皇坂くんの目が潤んだ。

「俺、実は知ってたんだ。
燈真の姉が逢原さんだってこと」

「え?」

「燈真が自分のお姉ちゃんについて話してくれたことがあってさ。
逢原っていう苗字なんて珍しいし、顔も燈真とどことなく似てるから多分そうだろうなって」

「全然知らなかった・・」

いつから気付いてたんだろう・・・。

「一番の決め手は帰りの電車かな。」

「帰りの電車?」

「そう、たまたま逢原さんが乗ってるの見かけて。
同じ方面って全然いないからそこで確信もったかな」

私は1か月前くらいに皇坂くんと同じ方面ってことに気付いたのに
その前から知られてたんだ。