ガタンゴトンッ

学校からの帰り道、電車に揺られながら窓の外を見る。
今日1日ずっと上の空だったな。
咲羅にも変に心配かけちゃったし、明日から気を付けないと。

「ふぁっ・・・」

それにしても眠い。
今日は早く寝よう、そう思い携帯に視線を落とす。

好きな俳優さんのSNSをチェックしていると、
視界に見慣れた制服が目に入った。

ふと顔をあげたとき目の前にいたのは

「え・・皇坂くん・・?」

少し気まずそうな表情をしていた皇坂くんだった。

「あ・・、どうしたの・・?」

突然のことに頭が真っ白になりながらも何とか言葉を紡ぐ。

「・・・」

皇坂くんは何も言わずにただ私をじっと見つめる。
どうすることも出来ず私もじっと見つめる。

短い時間だったようにも思えるけど、私には長い時間にも思えた。

徐に皇坂くんが口を開く。

「隣、座ってもいい?」

そう言い、私の隣を指さす。