燈真がお兄さんと話しているのを眺めていると、
2人がパッと私を見た。

「?」

私のことを紹介してくれているのかな・・・?
そんなことを思いながらじっと2人を見つめていると
燈真がお兄さんの手を引いてこっちに歩いてきた。

「えっ」

急なことに驚き、どんな表情をしたらいいか分からない。
お兄さんも同じなのか少し困った表情をしていた。

「お姉ちゃん!いつも僕にバスケを教えてくれるお兄さん!」

私の目の前まで来ると燈真がそう紹介してくれた。

「あ、えっと、、弟がいつもお世話になっているようで、、。
ありがとうございます」

そう言いペコっと頭を下げる。

「あ、いや、別に・・・」

そこまで言うとお兄さんは黙ってしまった。

「お兄さん、どうかした?」

燈真が不思議そうにお兄さんを見つめる。
沈黙に堪え切れなった私は

「燈真、もうそろそろ帰ろっか!
お母さんも帰ってくるだろうし。」

咄嗟に燈真に話しかけた。

「わかった!片付けてくる~。
あ、砂だらけになっちゃったから少し洗ってくるね」

「わかった、待ってるね」

私の返事を聞いたあと、手洗い場があるところに走って行った。