「あ、ひらめいたかも!」

 それは招待状をもらわなくても、夜の学校に入れる作戦。
 
「夜の学校に忍び込んでいればいいんじゃない?」

 萌香ちゃんは驚いたように目を丸くさせる。
 そして。

「でも……昇降口の鍵は、担当の先生がしっかり鍵を閉めるんだよ? アリアさんの噂が広まってるからしっかりしてるって聞いた」

 そういえば、そうだった!
 ……そこが大問題なんだよね。
 
 この学校は、その日の担当の先生が昇降口の鍵を閉めて帰るんだって。
 二人の先生で担当してるから、忘れることなんてまずないらしい。


 うーん。
 考え込んでいると。
 またとんでもないことを閃いてしまった!


「あ、わかった! ()()()()学校にいればいいんだよ」
「最初からって?」

 萌香ちゃんは、きょとん顔で聞き返す。

「先生たちが鍵を閉めて帰るときに、学校の中にいればいいんだよ!どこかにひっそりかくれておくの!」

 鍵をかけられてしまえば、夜の学校には入ることができない。
 でも、鍵をかけられる前から学校にいればいいんだ。


 
 すごくいい考えじゃないかな!
 自分の提案したことに、わたしの胸はわくわくと弾む。

 だけど。

「ウソでしょ……そんな作戦危ないよ」
 
 どうやら萌香ちゃんは、反対らしい。
 呆れたようにため息をついた。