「でもさぁ、読む人があっと驚くような記事書きたいと思わない?」

 学校新聞のオカルトコーナーは反響がある。
 みんなハラハラ、ワクワク読んでくれてるんだ…!
 
「それは、思うけど……」

 萌香ちゃんは、引っ込み思案な性格。
 新聞部での活動でも、自分からガンガン情報を集めるようなタイプではなかった。

 今も、下を向いたまま。
 イエスもノーも言わない萌香ちゃん。

 わたしは少しだけムっとしてしまう。

「わたしは部長で、萌香ちゃんは副部長なんだから、ガンガン行こうよ! もっとスクープ取らないと!」

 ガッツポーズをつくってみせる。
 すると萌香ちゃんは弱弱しく笑った。

「……だねっ!」


「もっと強欲にネタをとりにいかないとねー。……そうだっ!」

 そのとき。
 わたしはあることを思いついてしまった。