な、なんで? どういうこと?
 わたしがうろたえていると。


「今日はね、あなたを招待したのには理由があるんだよ。実はこの子がね」


 そう言って、アリアさんはましゅちゃんの頭をなでた。

 
 ああ、やっぱり。
 嫌な予感が的中しちゃった。



「この子が、あなたに言いたいことがあるんだって……」

 きっと、ましゅちゃんは、わたしに怒っているんだ。
 だから幽霊のアリアさんの力を借りて、わたしに復讐したかったんだ。


 今までの恐怖がよみがえって、わたしは身体をふるわせる。


「アリアさんと、ましゅちゃんは仲間なの? やっぱり、ましゅちゃんが怒ってるから、わたしに呪いをかけてるの?」

 どこかで予感はしてたんだ。
 病気でもないのに、ずんとおもりがのったように重くなる体。

 誰も押し入れから出していないのに、勝手に出ていたましゅちゃん。
 
 信じられなかった。
 いや、信じたくなかったんだよ。
 ましゅちゃんが呪いの人形になるだなんて。

 どうして、こんなことになっちゃったかな。

 ううん。最初にましゅちゃんを手放したのはわたしの方だ。
 子供の頃はあんなに一緒にいて、必要としていたのに。

 新しい友達ができた途端に、ましゅちゃんを放置したのはわたしだ。
 ああ。思い返したら、わたしって最低だなあ。

 呪われたって仕方ないよね。
 そう考えたら、申し訳なくて胸が苦しくなる。