夜の学校は照明がついていなかった。
 窓の外からの月明かりが、ぽわりと照らしているだけ。
 

 静かで、暗くて、寒い。
 震える足で立っているのがやっとだった。
 

 やっぱり夜の学校に一人なんて、ムリだ!
 こんなところに、いられないよ!

 
 今すぐ学校から逃げたい。
 そう思ったわたしは、帰ろうとドアに手をかけた。


 だけど。
 あれ、ドアが動かない。
 押しても引いても、ドアがピクリとも動かないんだ。