ちょうど授業がはじまるチャイムが鳴る。
 みんな自分の席に着いた。


 わたしもカバンから筆記用具を出そうとした。
 その時だった……。

「キャァ!!」

 短い悲鳴を上げてしまう。
 だって……。

「どうしたの?」
「大丈夫?」

 先生や友達が心配そうにわたしの席へとやってくる。
 わたしが見つめる先に視線を向けると。

「ひいっ!」
「…び、びっくりした」

 次々に驚いた声をあげた。

 みんなが驚くのも当然なんだ。
 それ以上にわたしも驚いてるの。

 だって、だって……!
 カバンの中に、ましゅちゃんがいたから。

 おそるおそるもう一度カバンの中に目を向ける。
 ぎろりとこちらを見つめているような瞳と目が合った。

 ぞわりと寒気が走る。

 おかしい。絶対におかしいんだ。
 ましゅちゃんは確かに勉強机の上にいたはず。
 間違っても、カバンになんていれてない。

 なんで。どうして――。