今夜の19時。
 迷うことすら許されない。だって()()()いかなければいけないんだから。

 それにしても、大切な人を連れてこいだなんて。
 
 わたしだけじゃなくて、その人も怖い目に遭うってことなのかなぁ。

 それは心が痛むけれど。
 大切な人という言葉に、すぐに思い当たる人がいた。
 
 
星七(せな)くん……」

 わたしにとって大切な人。それは一人しかいない。

 同じクラスの星七くん。
 彼は一ヶ月ほど前から、付き合うことになったわたしの彼氏だ。

 ある日の放課後、「付き合ってほしい」と星七くんから告白されたんだ。

 怖いけど、星七くんと一緒なら……。
 さっきまでの恐怖心がすこし軽くなったような気がした。


 とにかく、星七くんに話してみよう!

 あっ、でも……。
 アリアさんの招待状のことは誰にも言ってはいけないんだった!
 星七くんに招待状のことを話そうと思っていたわたしは、思いとどまる。