「アリアさん……二人を逃がしてもらえないかな?」

 わたしは死んでしまったから。
 ここに閉じ込められても関係ない。

 だけど、生きてる二人は違う。
 これから楽しい未来が待っているんだから。

 
 アリアさんは、自分が死んだと知らずに彷徨うわたしを呼んでくれたのかな。
 そんな風に思った。
 だけど。

「……ほんとうにそれでいいの?」

 アリアさんは、意地悪に笑う。
 そして、また。

「ほんとうに、あの二人を逃がしちゃっていいの?」

 頭がフリーズする。
 それはどういう意味だろう。

 違和感を感じたのは。
 アリアさんは、にこりともせず無表情だったから。
 
 あれ……。
 心臓あたりがドクンと跳ねた。

 そういえば、わたしってなんで死んじゃったんだっけ。