「キャあああああああああ!」

 叫び声をあげながら、二人は教室から飛び出した。
 優斗くんはしっかりと梨々花ちゃんの手を引いて。

 わたしはぽつりと教室に取り残される。
 逃げなきゃ……!


 わたしも慌てて教室を飛び出た。
 暗く長く続く廊下をひたすらに走る。


 優斗くんと梨々花ちゃんの姿はどこにも見えない。
 二人のことを追いかけないといけないのに…!



 暗闇を走るのは、怖くて淋しくて。
 足が震えて進まなくなる。

 そのままさっきとは違う教室へと逃げ込む。


 ハァハァ。
 両手で口元を押さえて息を殺した。


 お願い。見つからないで――!



 ヒタッヒタッ。
 なにかの足音みたいに、廊下を伝う音がする。

 その音がとにかく不気味で、ぞくっと身震いがした。



 ヤダ。ヤダよ。
 一人の時にアリアさんに見つかるなんて――。


 絶対にいやだよ…!
 ふいに、すぐ近くに気配を感じた。