「なんか……さ、子供のころ、秘密基地とか言ってさ。公園に大きいタコの滑り台あったじゃん?そこのこういう隙間に三人で入って話してたよね」
「ああ、狭いのにな。無理やりぎちぎちに入ってたなぁ」

 二人が懐かしそうにいうので、心がきゅとないた。
 子供のころは、いつも一緒だったのにね。

 なんで今は、こんなに二人と距離を感じちゃうんだろう。


「なんかさ……美亜には、謝りたいって思ってたんだよ」

 …わたしに?
 いったいどうして?

 梨々花ちゃんは、ふるえた声で続ける。


「美亜は『ずっと三人仲良しでいようね』って言ってたのに。わたしたち、裏切るようなことしちゃったよね」
「そうだな。俺もずっと気がかりだった……」

 それはわたし何度も言った覚えがある言葉だった。
 今思うと……。
 二人がこうなることを予感していたのかもしれない。

「……わたしこそ、その言葉のせいで二人を悩ませてたらごめんね」

 ずっと三人で仲良くいたいと思ってた。
 
 それが間違いだったのかもしれないね。

「関係性は変わっちゃったかもしれないけど……。わたしは二人のことがだいすきだよ」

 精一杯声にした気持ちは届かない。
 
 ああ。なんとなくわかっていたけど。
 もう少し二人と一緒にいたかったなぁ。
 半泣きになって、その場にうずくまっていると。