「じゃじゃーん!鬼ごっこの、制限時間は10分ですっ!」

 わたしたちはぎょっとする。
 アリアさんが声をかけると、アリアさんの身長と同じくらいの大きな砂時計が現れたから。

「す、砂時計⁉︎」

 洋梨型のガラスの素材を2つつなげた形の砂時計。
 それをくるりと回す。
 すると、上の器から下の器に砂がザッと落ちてくる。

「制限時間は10分。この砂が無くなったら終了だよ!」

「俺たちが逃げきれれば、ここから出られるんだよな?」
「うんっ!アリアから逃げ切れたら……ね!」

 
 つまり、この砂時計のすべての砂が器に落ちきるまでに。
 逃げきれれば、わたしたちの勝ち。
 ここから出られるってことだ。
 

 砂時計の砂は、上から下の器にどんどん落ちていく。


 わたしたちは息をのむ。
 もうゲームははじまってしまったのだから。