「あ、あの……梨々花ちゃん、」
ちゃんと謝ろうと口を開いた時だった。
梨々花ちゃんが目を丸くさせて固まっている。
そして。
「あ、あれ! 見てっ!」
そう言って指を刺したのは、わたしの背後。
くるりと振り返ると、息が止まった。
「クスクス……全員きてくれたのね」
銀色のふわりとした髪の毛をふわりとなびかせて。
真っ黒のワンピースを着た女の子がにたっと笑っていた。
「キャぁぁぁぁ!!!」
一番に声をあげたのは梨々花ちゃん。
隣にいた優斗くんの腕に、ひしっとしがみつく。
わたしたちはその場にたちすくんだ。
明らかにおかしいんだ…!
だって体が宙に浮かんでいたから。
ふわりと浮いた女の子はわたしたちの顔を見渡すと……。
「今宵は、みんなでなかよくあそぼうね」
童謡をうたうかのように、なめらかにいう。