わたしは重たい気持ちを抱えたまま、夜の学校へと足を踏み入れた。

 夜の学校が平気なわけじゃない。
 ここにくることを、迷わなかったわけでもない。
 だけど、わたしなりの罪滅ぼしをしたかったのかもしれない。

 いつのまにか足が向いていたんだ。

 そして、約束の時間が近づいていた。
 昇降口の廊下に壁掛けられた時計の時刻は、18時58分。

 夜の学校に足を踏み入れた途端、寒気がしてぶるっと体がふるえた。
 なんだかすごくイヤな感じ。
 
 これからここで何かがはじまるんだ……。
 そう思ったら、怖くなってぎゅっと目をつむる。

 怖い。怖いよ…!
 やっぱり帰ろうかな……。


 ここに来たことを後悔しはじめたときだった。