見覚えのない黒い封筒。
 だけど、心当たりはあった。

 これって噂の黒の手紙だったりする?
 嫌な予感は的中する。



 …………

 *招待状*

 早川美亜さん。
 あなたが選ばれました。

 今夜19時。正門が開いているのが宴の合図。

 あなたを夜の学校に招待します。
 来なかったらあなたが後悔することでしょう。
 

 アリアより

 …………


 手紙を開けると、黒い便せんに白い文字でこう書いてあった。
 読んだ途端、力が抜けたみたいに足からガクンと崩れた。

 アリアさん。
 その噂も、もちろん知っていたから。

 『アリアさんに招待状をもらった人は、怖い目に遭って、行方不明になっちゃうんだって』


 そんな話、ただの噂話だと思ってた。
 幽霊やオカルト話は信じない方だもん。

 そうだよっ!
 この手紙も誰かのいたずらかもしれない。

 そう思ったのだけれど。
 手の中にある手紙をもう一度見てみたら……。

 ゾッと寒気がした。
 手紙から不吉な何かが流れてる感じ。

 何かあるとわかってて、夜の学校に自分からほいほい行きたくないよ。
 
 だけど、この招待状からは逃げられない。
 そう思っているわたしもいたんだ。

 だってわたしは友達を階段から突き落としてしまうような奴だもん。
 招待されても文句なんて言えないよ。

 もうなんでもいいや。
 わたしは自暴自棄になっていた。