「私……優斗(ゆうと)のこと好きだと思うんだ」

 お昼休みのことだった。
 クラスの女の子5人集まっていると、突然梨々花(りりか)ちゃんが言い出した。

 わたしは驚く。
 だって梨々花ちゃんが、優斗くんのことを好きだったなんて聞いてなかったから。

 わたし、早川美亜(はやかわみあ)高野梨々花(たかのりりか)ちゃん。
 そして優斗くんは、いつも3人一緒の幼馴染だった。

「え、そうだったの……」

 わたしの戸惑う声なんて届かない。
 梨々花ちゃんの好きな人を聞いたみんなは、今日一番の盛り上がりをみせる。

「きゃあー!!」

 一番に叫んだ美奈(みな)ちゃん。ポニーテールが似合う、明るい性格の女の子。
 
「えっ!!いいじゃん!お似合い!」

 手を叩きながら喜んだのは、しっかり者の彩羽(いろは)ちゃん。
 
「そうだと思ってたよ。だっていつも一緒にいるもんね」

 冷静に言ったのは、この中で一番頭のいい加奈(かな)ちゃん。

 みんなでニマニマと笑いあって、なんだか楽しそう。