忍び込んでいるんだから、学校の電気をつけるわけにもいかず。

 わたしは隠し持っていた懐中電灯を照らしながら、夜の学校を徘徊した。

 すぅーっと息を吸い込む。

「アリアさーん。いませんかぁ?」

「……」

 思いきって、呼びかけてみた。
 だけど返答はない。


 夜の学校を徘徊しながら考えてみた。
 
 アリアさん。
 それはいつからある階段話なのか。
 調べてみたけど、明確な情報は見つからなかったんだよね。

 アリアさんがどんな幽霊で。
 本当にアリアさんなんて幽霊は存在しているのか。

 新聞部部長の名にかけて、絶対に記事にしたい!


「アリアさーん!出てこーい!」

 そう意気込んでいたのだけれど。
 真っ暗な夜の学校は、わたしの気持ちをどんどん減らしていく。

 だってやっぱり夜の学校は怖い。


 も、もう帰ろうかな。
 諦めかけた時だった。